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2021年12月08日
「セルフメディケーション税制」適用期間が延長されました。

平成29年から始まった「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」が、このたび5年間延長され、令和8年12月31日まで適用されることになりました。
「セルフメディケーション税制」は、健康診断などを受けている人が一部の市販薬を購入した際に、所得控除を受けられる制度です。
「使ったことがある」という方はもちろん、「使ったことがない」という方も、確定申告をする際に必要になる知識ですので、この機会に制度の概要を知っておきましょう。
「セルフメディケーション税制」とは?
セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」です。セルフメディケーション税制は、そうしたセルフメディケーションへ自発的に取り組む環境整備を目指して設けられた制度です。
適用期間が令和8年12月31日まで延長されましたので、制度を上手に使って、ご自身やご家族の健康を増進するとともに、確定申告時に役立てましょう。

制度詳細
<適用期間>
平成29年1月1日~令和8年12月31日までの期間(期間延長)
<控除内容>
セルフメディケーション税制対象医薬品の購入費用が1万2000円を超えるとき(生計を一にする配偶者、その他の親族の分も含む)は、その超える部分の金額(その金額が8万8000円を超える場合には、8万8000円)について、その年分の総所得金額などから控除
対象になる人は?
制度の対象となるのは、以下の事項すべてに該当する人です。
- 国内に「住所」を有し、または現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人
- 1年間(1~12月)に、「健康の保持増進および疾病の予防に関する一定の取組」として、申告予定者が以下のいずれかを受けている(申告される方と生計を一にする配偶者や、その他の親族の方が「一定の取組」を行っている必要はありません)
- 健康診査(いわゆるメタボ健診)
- 予防接種(定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種)
- 定期健康診断(事業主健診)
- 特定健康診査(いわゆる人間ドックなどで、医療保険者が行うもの)
- がん検診
- 1年間(1~12月)で、対象となる医薬品(スイッチOTC医薬品(※))などを1万2000円以上購入している(生計を一にする配偶者その他の親族の分も含む)
※スイッチOTC医薬品:OTCとは「Over The Counter」のことで、「OTC医薬品」は医師の処方箋がなくても薬局・薬店などで購入できる医薬品です。「スイッチOTC医薬品」とは、もともと医療用として使用されていた医薬品を、有効成分や服用方法、用量が同じまま市販されている医薬品のことです。
対象になるお薬は?
医療用医薬品から転用された成分を含むスイッチOTC医薬品の一部が、制度の対象となります。厚生労働省HPに対象となる品目名が掲載されています。
なお、令和3年12月31日までと、令和4年1月1日からは対象となる医薬品目が異なります。
厚生労働省のHPで、最新の情報を確認しましょう。
対象となる医薬品のパッケージには、セルフメディケーション税制の対象製品であることを示す識別マークが表示されています。
また、対象製品を購入した際にはレシートに対象製品であることが表記されます。

※本マーク表示には法的義務はなく、生産の都合などで表示されていない対象製品もあります。
(表示されていなくても、対象製品は制度の対象となります。)
確定申告の準備
「セルフメディケーション税制」を使って申告する場合は、1月1日~12月31日の1年間で、対象となる医薬品の購入合計金額を確認できるレシート(領収書)が必要です。
また、「健康の保持増進及び疾病の予防に関する一定の取組」を証明するため、申告の際には以下のような書類を提出・提示が必要になります。
[例]
- インフルエンザの予防接種または定期予防接種(高齢者の肺炎球菌感染症等)の領収書または予防接種済証
- がん検診の領収書または結果通知表
- 職場で受けた定期健康診断の結果通知表
- 特定健康診査の領収書または結果通知表
- 人間ドックやがん検診をはじめとする各種健診(検診)の領収書または結果通知表
※一定の取組を行ったことを明らかにする書類のうち、結果通知表は健診結果部分を黒塗り、または切取りなどをした写しで差し支えありません。