けんぽニュース&お知らせ

2023年07月05日

熱中症に十分な注意が必要です。

もうすぐ夏がやってきます。気象庁によれば、今年の夏は平年よりも気温が高くなることが予想されています。
暑い夏に、注意しなければならないのが熱中症です。

「私は若いから」「屋外で作業しないので」など、油断は禁物。暑い季節は、みんなが熱中症に気を付ける必要があります。
ご家族で、職場で、注意して過ごしましょう。

熱中症が起こる要因とは

熱中症は、いくつかの条件が重なると起こりやすくなります。条件となるポイントは、「環境」と「身体」と「行動」だと考えられています。この3つが要因となって、体温が上昇して調整機能のバランスが崩れると、どんどん身体に熱が溜まってしまいます。このような状態が熱中症です。

【ポイントその1 環境】

  • 気温が高い
  • 湿度が高い
  • 風が弱い
  • 日差しが強い
  • 閉め切った室内
  • エアコンのない部屋
  • 急に暑くなった日
  • 熱波の襲来 など

【ポイントその2 身体】

体内に熱が生じ、皮膚から逃げる熱が少なくなったり、汗が出なくなったりするなど、暑い環境に体が十分に対応できないことがあります。その場合、熱中症を引き起こす可能性があります。

  • 高齢者や乳幼児、肥満の方
  • 糖尿病などの持病
  • 低栄養状態
  • 下痢やインフルエンザでの脱水状態
  • 二日酔いや寝不足といった体調不良 など

【ポイントその3 行動】

  • 激しい筋肉運動、慣れない運動
  • 長時間の屋外作業
  • 水分補給できない状況 など

子どもから高齢者まで、熱中症に用心!

令和4年5月から9月の期間で、全国における熱中症による救急搬送人員の累計は 71,029人。これは平成20年の調査開始以降、3番目に多い搬送人員でした。
年齢層別では高齢者が多いものの、成人や子どもも高い割合を占めていることが分かります。また発生場所をみると、住居がもっとも多くなっています。自宅だからと安心は禁物。場所や年齢を問わず、熱中症に注意が必要です。

熱中症による救急搬送状況

年齢区分別(構成比)

発生場所別(構成比)

(出典)総務省 消防庁「令和4年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」 より

熱中症を予防するには

熱中症の予防は、場所や状況に応じた対策をとることが大切です。通気性のよい衣服を着用する、保冷剤などで身体を冷やす、こまめに水分を補給するなど、夏の期間は毎日の生活で熱中症予防を心がけましょう。

【室内での対策】

  • 扇風機やエアコンで室温を調整
  • 遮光カーテン、すだれ、打ち水を利用
  • 室温をこまめに確認

【屋外での対策】

  • 日傘や帽子の着用
  • 日陰の利用、こまめな休憩
  • 気温の高い日は、日中の外出を控える

熱中症予防は日々の体調管理から

熱中症の発生には、その日の体調が大きく影響します。暑さに対して、最も重要な働きをするのは汗。汗は、血液中の水分と塩分から作られます。そのため、脱水状態(二日酔いなど)や食事抜きといった万全ではない体調だと、熱中症になる危険性が高くなります。
また、睡眠の質も体調管理には大切な要素です。夏の睡眠不足は、熱中症のリスクを高くする可能性があります。日中の環境や行動だけでなく、夜間の睡眠環境も整えてしっかり眠ることが大切です。

熱中症かも!と思ったら

熱中症とは、さまざまな症状の総称です。以下のような症状が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。すぐに対応策を実施しましょう。

【こんな症状はありませんか?】

  • めまいや顔のほてり
  • 立ちくらみ
  • 筋肉痛や筋肉のけいれん
  • 体のだるさや吐き気
  • 大量の汗

【どうすればいい?】

  • 涼しい場所(エアコンの効いた室内、風通しの良い日陰など)へ避難
  • 衣服をゆるめ、からだを冷やす(特に首の回り、脇の下、足の付け根など)
  • 水分・塩分、経口補水液(水に食塩とブドウ糖を溶かしたもの)などを補給
  • 自力で水分がとれなければ、ただちに医療機関を受診

子ども・高齢者・障がいのある方は注意して見守り

熱中症について、特に注意すべき人たちがいます。
まずは、子ども。子どもは体温の調節能力が十分に発達していないので、大人が気を配る必要があります。
また、熱中症患者のおよそ半数は65歳以上の高齢者です。高齢者は暑さや水分不足に対する感覚機能が低下しているので、用心してあげてください。障がいをお持ちの方も、自ら症状を訴えられない場合があるため、特に配慮しましょう。