けんぽニュース&お知らせ

2024年12月16日

冬の血圧にご注意ください。

高血圧は、日本人にとって身近な疾患のひとつです。高血圧である人は近年大きく減少しましたが、今なお20歳以上の国民のおよそ2人に1人は高血圧であるとされています。

寒さが厳しくなる冬季は、特に血圧への注意が必要になる季節です。
ふだんから血圧が気になる方はもちろん、そうでない方も冬は血圧に用心してください。

血圧はなぜ注意が必要?

高血圧は喫煙と並んで、日本人の生活習慣病死亡に大きく影響する要因であるといわれています。もし高血圧が完全に予防できれば、年間10万人以上の人が死亡せずにすむとする推計もあります。

高血圧には、本態性高血圧と二次性高血圧があります。二次性高血圧は、病気が原因で高血圧を起こすものです。日本人の大部分の高血圧は、そうした原因のない本態性高血圧です。本態性高血圧は食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスや遺伝的体質などが組み合わさって起こるとされています。

血圧の詳細区分(mmHg)
血圧の詳細区分(mmHg)

(出典)厚生労働省 「健康寿命をのばそう」より

血圧が高くても、痛みなどの症状があるわけではありません。でも血圧が高い状態が続くと、血管は張りつめた状態に長くおかれるため、だんだんに厚く硬くなってもろくなります(動脈硬化)。自覚症状がないまま動脈硬化は進行し、やがて循環器病(脳卒中や心疾患など)を引き起こしやすくなります。

血圧と循環器病のリスク
血圧と循環器病のリスク

(出典)厚生労働省 「健康寿命をのばそう」より

冬に用心すべき理由は?

血圧は、いつも同じではありません。1年の季節ごとや、1日の時間ごとに変化しています。
最近、話題となっている「血圧サージ」とは、血圧が急上昇する現象です。この血圧サージは、あるタイミングで起こる血圧の急激な変動のことで、臓器や血管の老化を進行させ、心疾患や脳血管疾患の発症の危険性が高まるとされます。これは高血圧の人だけでなく、ふだんの血圧が正常な人にも起こる現象です。

寒さにより全身の血管が収縮する冬は、一般的に夏より血圧が上がりやすくなります。また寒さで運動不足になることも、血圧が上昇する原因の1つと考えられています。
血圧変動は、寒暖差が大敵です。暖かい場所から急に冷たい場所へ移動すると、毛細血管が縮まって血圧が上昇します。特に注意が必要なのは、冬の朝です。室内が寒いと、暖かいふとんから起き上がった際に、急に血圧が上昇する危険があります。
また、入浴時も要注意です。寒い脱衣所で服を脱ぐと血圧が上昇。さらに熱いお湯に入ると、一時的に血圧が上昇し、ヒートショックを起こしやすくなります。

室温と血圧上昇の関係
室温と血圧上昇の関係

(出典)厚生労働省 e健康づくりネット「室温と高血圧、睡眠の関係」より

どんなことに気をつければよい?

血圧上昇を予防するには、日々の生活を見直すことで役立つことがあります。必要に応じてかかりつけ医に相談するなどして、改善に取り組みましょう。

① 塩分を控える

塩分(ナトリウム)を摂り過ぎると、血液中の水分が増えて体内を循環する血液量を増やします。このため、血圧を上げてしまうと考えられています。調理や食事で減塩を意識しましょう。

② 適正な体重の維持

BMIで25を超えて肥満度が高い人は普通の体形の方と比べ、高血圧になる傾向が高いというデータがあります。太り気味の方は、減量を心がけましょう。

※肥満度 BMI(Body Mass Index)=[体重(kg)]÷[身長(m)2]
18.5以下=低体重
18.5~25.0未満=普通体重
25.0~30.0未満=肥満(1度) 30.0~35.0未満=肥満(2度) 35.0~40.0未満=肥満(3度) 40.0以上=肥満(4度)

③ 運動をする

運動をすると、血圧を下げる効果があります。また同時に、肥満予防・解消にも有効であるとされています。無理のない範囲で、定期的に身体を動かしましょう。

④ 室内を暖かくする

WHO(世界保健機関)では、室温18℃以上に保つことを推奨しています。室温は血圧の状態にも影響を与えます。浴室や脱衣所、寝室を暖めるなど、部屋を暖かくして過ごしましょう。